ひつじのお家

自分用の日記みたいなものです

NZ-DAY22 In the little book shop…

ロトルアの様々なお店が立ち並ぶ通りにある、一軒の本屋さんに行きました。

中を覗くとおじさんが一人、脚立に上って子供の本のコーナーの整理をしているようでした。

 

その本屋さんの中を見て回っていると、村上春樹の本が数冊置いてありました。

もちろん英訳されたものだけれど。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

1Q84

ねじまき鳥クロニクル

ノルウェイの森

1973年のピンボール風の歌を聴け」←一冊にまとまっている

など…小さい本屋さんなのに、しかもニュージーランドからすると外国の作家なのに、結構種類が豊富。

最新刊である「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は数冊置いてありました。

村上ファンの私としては全部欲しいところなのですが、1冊の値段が結構高いのでどれか一つ選ぶことにしました。

迷いに迷った末、決めたのがこちら。

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風の歌を聴け」と「1973年のピンボール」が1冊にまとまったもの。

NZ$40です。約3000円といったところですね。

表表紙から読むと「風の歌を聴け」、裏表紙から読むと「1973年のピンボール」といった面白い作りになっています。日本では見たことない。

つまり、表表紙と裏表紙で上下が逆転しています。

最初見た時は印刷ミスかと思いました。

 

また、タイトルも

 

「WIND」

 

風。

 

「PINBALL」

 

ピンボール

 

で、「え、適当過ぎじゃない??」と少し不安になったのですが…

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中身は普通でした。

 

それで買うことに決めて、脚立のおじさんに声をかけた時、思わぬ言葉をかけられました。

 

私「Excuse me.This one, please.」

 

おじさん「Oh, This is his earliest novel.」

 

私「Yes, I love him.」

 

おじさん「Me, too.」

 

おじさんが何て言ったか正確に聞き取れたわけではないので、細かいところは間違っていると思いますが、まずおじさんが村上春樹のことをよく知っていることに驚き、感動しました。

 

日本でも賛否両論ある村上春樹

でも、外国にもその価値を認めている人がいるんだってことを実際に肌で触れることができた瞬間でした。

 

感動して泣きそうになりました。

 

買った後、お店を見まわしていると、このおじさんは本が本当に好きな人なんだなぁということが伝わってきました。

いろんなところに添えてある本に関するおじさんの手書きのコメント。

ジャンルやイメージごとに奇麗に並べられた本たち。

そしておじさんが脚立にのぼって丁寧に作業をしている姿。

 

なんて素敵な本屋さんなんだろう、と心から感じました。

 

きっと村上春樹の作品が豊富に揃えてあるのは、おじさんの趣味なんだろうな、とか想像すると、ますますこの本屋さんが好きになりました。

 

 

今日はこの本屋さんに出会えてよかった。幸せな気持ちになりました。