外に出ると雪が降っていた。弱々しい雪だった。 地面に落ちた瞬間、アスファルトの黒に吸収されてしまう。 降れども降れども積もることは無い。 アスファルトがブラックホールのように思えた。12月に入って、懐かしい寒さを感じていた。 凍えた手をコートの…
1. 「またね」と言って別れた。 途端に寒さが身に突き刺さる。 名付けられない感情が全身から湧き出してくる。 その感情の波はあっというまに私の顔までのぼり、私の目から涙となってこぼれ落ちた。 私には止められないぐらいに激しい波だった。 2. 気付いた…
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